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狂犬病

フィリピンからの帰国後に狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)2例

 2006年11月に、36年ぶりといわれている、輸入狂犬病症例が続けて2例みられた。
いずれもフィリピンより帰国した男性で、現地で狂犬病ウイルスに感染し、国内で発症したことが確認された。

 1例目は、60歳代で、11月 9日風邪様症状を呈し京都市内の病院を受診。11月12日水が飲みにくく風が不快との症状により同市内の別の病院を受診。脱水症状が認められたことから、点滴を受け帰宅。しかしながら改善が見られず、11月13日幻覚症状を呈し、再度同病院を受診した。恐水及び恐風症状が確認され入院。11月14日人工心肺で処置。
 11月16日国立感染症研究所において、PCR法による病原体の遺伝子の検出を試みたところ、狂犬病ウイルス遺伝子を確認。以上の検査結果及び臨床症状等を踏まえ、担当医師により狂犬病と診断された。
 当該患者は、11月17日未明に死亡した。
 感染経路は、8月末にフィリピンに渡航中、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断される。なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていないもよう。

 2例目も、60歳代で、11月15日風邪様症状と右肩の痛みが発現。11月19日横浜市内の病院を受診。点滴及び血液検査を受け帰宅。夕方薬を服用しようとしたが、飲水困難となる。夜になり呼吸困難を示し、11月20日同病院に再度受診。興奮状態となり、恐風症状及び恐水症状を呈していることから、狂犬病の疑いがあるとして他病院に転院。改善は見られず11月22日人工呼吸器を装着。
国立感染症研究所において、PCR法による病原体の遺伝子の検出を試みたところ、狂犬病ウイルス遺伝子を確認。以上の検査結果及び臨床症状等を踏まえ、担当医師により狂犬病と診断された。
当該患者は、12月7日未明に死亡した。
 感染経路は、8月頃にフィリピン滞在中、犬に手を咬まれており、これにより狂犬病に罹患したと判断される。なお、現地における暴露後のワクチン接種は受けていないもよう。

フィリピンにおける狂犬病発生状況

 狂犬病発生状況はフィリピン全体で、推定死亡者数;毎年300〜600人、咬傷発生数は人口10万人当たり200〜800人、(フィリピンの人口;8,300万人(2004年世界銀行データ))。フィリピンにいる800万頭の犬のうち予防接種を受けているのは10%程度といわれている。

(厚生労働省健康局結核感染症課発表資料)

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36年ぶりの狂犬病の国内発生

 日本国内での狂犬病発生は1956年が最後であり、輸入事例でも1970年以降発生はなかったが、2006年に相次いで2例の輸入事例が発生した。いずれの患者もフィリピンで犬に咬まれたことで感染したものと推定されている。

症例1
 患者は入院時に感冒様症状の他に、「水が飲みにくい」という恐水症状が出現していた他、「虫が見える」という神経症状も出現していた。家族の話で、2ケ月半前にフィリピン在住した際に左手を犬に咬まれたことが確認された。国立感染症研究所によって唾液からPCR検査で狂犬病ウイルス遺伝子が検出され、さらに毛根神経組織の免疫染色で抗原陽性となり、狂犬病が確定診断された。患者は入院第5日目に永眠された。

症例2
 患者は感冒様症状のため近医を受診したが感冒と診断された。その後、水が飲めない、という症状が出現したため転院した。転入院時に恐水症状、恐風症状、易興奮性といった狂犬病特有の症状を呈していた。2ケ月ほど以前にフィリピンで知人の飼い犬に右手首を咬まれており、狂犬病が疑われた。国立感染症研究所によって唾液からPCR検査で狂犬病ウイルス遺伝子が検出され、狂犬病が確定診断された。患者は入院第17日目に永眠された。

 いずれの患者も、海外渡航前のワクチン接種および犬に咬まれた後の暴露後免疫を受けていなかった。狂犬病は発症した場合の致命率は100%であり、狂犬病流行地域へ渡航する一般住民の知識不足がうかがえる。

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