人獣共通感染症 関連資料 |
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●オウム病 |
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オウム病は人と動物が感染する人獣共通感染症のひとつで、本来は鳥の感染症です。
鳥がクラミジアを持っているかどうかは、見かけではわかりません。
感染していても排泄物に病原体を排泄せず、発病しないまま天寿を全うする鳥もいます。
しかし、鳥の体調が悪かったり、ストレスを受けたりしているときには、
ふんの中に大量のクラミジアが排出されます。体の弱っている野鳥を自宅に連れ帰ることは、
大変に危険です。
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1.病原体
病原体は、オウム病クラミジア(Chlamydophila psittaci クラミドフィリア・シッタシ)。
クラミジアは細菌の仲間で、感染した宿主の細胞内に侵入して増殖する微生物です。
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2.流行
人や鳥のオウム病は世界的に発生しており、人の感染は飼育鳥からの感染がほとんどで、
その数は増加傾向にあります。
また、我が国では、輸入鳥の多くがこの病気に感染している事が明らかにされることにより、
注目を浴びるようになりました。
この病気は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法」で4類感染症に
指定されており、オウム病の患者と診断した医師は、保健所に届けなければなりません。
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3.感染経路
人の周辺に生息するほとんど全ての鳥種に自然感染がありますが、感染源となるのは、
オウム、インコ、カナリア、ハトなどです。国内の鳥類におけるクラミジア保有率は約20%であると
考えられています。
病原体のクラミジアは、鳥のふんの中に排出されます。ふんは時間が経つと乾燥して粉々になり、
空中に浮遊します。この浮遊するふんの中に病原体がおり、これを吸い込むと感染します。
換気の悪い、掃除をきちんと行っていない鳥小屋の中に入った場合、あるいは、飼っている鳥が
可愛くてたまらない、食事も一緒に・・・という方はお気をつけ下さい。
口移しで餌を与えたりすると感染する可能性が高いです。
しかし、オウム病クラミジアが空中に舞っていても必ずしも感染とはならないことから、
無闇に危険視することはありません。
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4.症状
《トリの症状》
運動量の低下、餌や水を取らなくなる、やせてくる、下痢、呼吸困難を起こすなどの症状があり、
ふんに大量のクラミジアが混じることになります。
治療をしないと、1~2週間で死亡してしまいます。
鳥の体調に異常が見られる場合は、動物病院に相談して下さい。
抗生物質による治療などの対策をとることができます。
《ヒトの症状》
インフルエンザに似た症状を発症します。
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は1~2週間。突然の発熱(38℃以上)で発症し、
頭痛、倦怠感、筋肉痛や関節痛などの症状です。
重症化すると肺炎や呼吸困難、髄膜炎を起こし、まれに死亡することがあります。
高齢者ほど重症になることが多いので注意が必要です。
体調が悪くなったら、風邪やインフルエンザの症状で病院に診てもらうときに、
鳥を飼っていることを医師に伝えて下さい。鳥との接触の有無は、重要な情報です。
治療をする際に、インフルエンザ用の薬はオウム病にはほとんど効かないからです。
治療を誤ると、重症化する恐れがあります。
クラミジアに効果のある抗生物質は複数あるので、治療することができます。
全国で毎年約20件の患者が報告され、実際の患者数はこの十倍程度と考えられています。
国内では約200~300万世帯が鳥を飼育していますから、発症率は高くありません
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5.予防
鳥用及び人用のワクチンはありません。しかし、次のような適切な飼い方をすることで、
十分に予防することができます。
(1)過剰なふれあいは控えること。
鳥はなるべく屋外で飼育し、口移しで餌を与えることはやめましょう。
(2)鳥に触ったら、必ず手を洗うこと。
知らないうちにふんなどに触ってしまうこともあるので、必ず手を洗いましょう。
(3)鳥かごの掃除はこまめにし、食卓の近くに置かないこと。
乾燥したふんは空中に漂い、吸い込みやすくなります。
ふんに触れたり、吸い込んだりしないように気を付け、すばやく処理しましょう。
(4)鳥の具合が悪いときは、動物病院で診てもらうこと。ふん便検査で診断することができます。
また、新しく小鳥を購入した場合は、少なくとも2週間は他の小鳥との接触を避けて
健康状態を観察して下さい。
飼っている鳥が感染してしまった場合、獣医師の指示に従って看病して下さい。
感染鳥を放したりしないで下さい。鳥を隔離し、ふんや細かい羽毛などが浮遊しないように
かごの周りをかこってください。(温度と喚起には気を付けてください)。
鳥かご等は毎日消毒し、作業のあとは必ず手を洗うこと。
一般家庭では、きちんと飼育していれば、オウム病の心配はほとんどありません。
小学校などで、セキセイインコなどを飼っていることもありますが、
掃除や手洗いなどをきちんとしていれば問題ありません。
鳥はクラミジアを保有している状態が自然であると言うことを理解して下さい。
また、クラミジアを保有し排出しているとしても、必ずしも感染とはならないことから、
無闇に怖がらず適切に対処しましょう。
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